2023年に放送されて大ヒットしたTBS系日曜劇場「VIVANT」ですが、作中で強烈な存在感を放っていたキャラクターといえばドラムですよね。巨漢の愛らしい見た目と、スマホの音声翻訳アプリから流れる可愛らしい声のギャップにハマった方も多いのではないでしょうか。
でも、ドラマを観ていて、ドラムがなぜ自分自身の声で喋らないのか、あのスマホの可愛い声は誰が担当しているのか、気になったことはありませんか。今回は、作中の設定からキャストの裏話、声の主に関する情報まで、ドラムにまつわる疑問をすっきり解決できるよう分かりやすくまとめました。
- スマホの翻訳音声を作成している超豪華な声優の正体
- ドラムが自らの声で喋らない劇中設定と撮影現場のリアルな事情
- ドラム役を務めた富栄ドラムさんの経歴と知られざる素顔
- ドラマ放送終了後に行われたファン必見の声解禁エピソード
ドラムが喋れないのはなぜ?スマホの声が誰かまとめ
ドラムの愛くるしいキャラクター像を支えているのが、あの特徴的なスマホの音声演出です。まずは、多くの視聴者が気になった「あの声は誰なのか」という素朴な疑問や、ドラムがスマホを通して対話している劇中での理由、そして撮影現場における制作側のねらいについて掘り下げていきます。
スマホの翻訳アプリの声優は人気声優の林原めぐみ
ドラムが差し出すスマホの翻訳アプリから流れる、キュートで表情豊かなあの声。実は、日本のアニメ界を代表する超大物声優の林原めぐみさんが担当しています。林原さんといえば、『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイ役をはじめ、『名探偵コナン』の灰原哀役、『カウボーイビバップ』のフェイ・ヴァレンタイン役など、数々の名作で伝説的なキャラクターを演じてきたトップ声優です。
機械的な翻訳アプリの音声という設定でありながら、単なる無機質な人工音ではなく、どこか人間味のある愛らしさを感じられたのは、林原さんの卓越した演技力があってこそだと言えますよね。豪華すぎるキャスティングに、放送当時もSNSなどで大きな話題となりました。
アニメ界のレジェンドを起用した制作陣の意図とは
なぜ実写ドラマの音声アプリ役に、これほどまでのレジェンド声優が起用されたのでしょうか。制作プロデューサーの飯田和孝さんによると、企画の初期段階から「ドラムの翻訳音声にはあえて女性の声を採用する」という演出方針が決まっていたそうです。
声優の選定にあたり、制作陣は福澤克雄監督に対して「このドラマを世界に向けて発信するなら、海外でも認知度の高い作品で実績のある林原めぐみさんの声が不可欠だ」と提案し、オファーを出したという経緯があります。作品全体のクオリティ向上とグローバル展開を本気で狙っていたからこその戦略的なキャスティングだったわけですね。
劇中設定は日本語を話せないバルカ人の優秀な協力者
物語の作中設定において、ドラムは警視庁公安部・外事第4課の刑事である野崎守(阿部寛さん)の非常に優秀な協力者(相棒)として活動しています。舞台となった中央アジアの架空国家「バルカ共和国」の人物であり、相手が話す日本語を完璧に聞き取って理解することはできるものの、自分自身で日本語を発音して会話することができないという設定になっています。
そのため、自分が伝えたい内容をスマホの音声翻訳アプリに入力し、そこから出力される日本語の合成音声を使って、乃木憂助(堺雅人さん)や野崎たちとコミュニケーションを取っていたのです。
演者の演技未経験への配慮と過密撮影への対策
ドラムがスマホ音声で会話する演出には、劇中の設定(フィクション)だけでなく、現実のドラマ撮影現場における実用的な理由(リアル)も深く関係していました。ドラム役を演じた富栄ドラムさんは、元大相撲の力士であり、俳優としては演技経験がほぼ無い状態で今作に大抜擢された人物です。
『VIVANT』はモンゴルでの長期ロケを含む規格外の大規模撮影であり、スケジュールも非常に過密でした。もし演技未経験のキャストが長文のセリフや複雑な掛け合いを担当した場合、NGが連発して撮影がストップしてしまうリスクがあります。セリフの発声をアプリ音声に差し替えることで、現場の負担を軽減し撮影をスムーズに進めるという合理的判断があったのです。
演出上の工夫によって、セリフを覚えるプレッシャーから解放された富栄ドラムさんは、持ち前の豊かな表情演技やダイナミックなアクションに全力を注ぐことが可能になりました。
巨漢キャラと可愛い女性音声が生む演出上の効果
この演出は、結果としてキャラクターの魅力を引き立てる大きな効果を生み出しました。元力士という圧倒的な体格と強靭なフィジカルを持つドラムが、スマホを取り出すと林原めぐみさんの愛くるしい女性の声で喋り出すという構図は、視覚と聴覚に鮮烈なギャップをもたらしたのです。
いかつい巨漢でありながら親しみやすくキュートに見えるこの「ギャップ萌え」は、視聴者に強烈なインパクトを与え、ドラムをドラマ屈指の人気キャラクターへと押し上げる決定打となりました。
主演級キャストによる現場での演技指導エピソード
撮影中に声を出す必要がなかった富栄ドラムさんですが、福澤監督は彼の将来的な役者としての成長を見据え、現場で厳しい指導を行っていました。撮影がない日でも富栄さんを見学に呼び出し、セリフの課題を与えていたそうです。
富栄さんは現場で堺雅人さんから直々にアドバイスを受け、言葉をはっきり発声するための練習法である「母音法」などの演技指導を受けていました。豪華なキャスト陣に見守られながら演技の基礎を学んだ経験が、彼の魅力をさらに引き出したと言えそうです。
ドラム役の富栄ドラムの経歴や声解禁の真相を解説
愛くるしい笑顔とキレのある動きで一躍話題となった富栄ドラムさんですが、一体どのような人物なのでしょうか。ここからは、彼の異色の経歴や、ドラマ終了後に行われたファンの間でも語り草となっている「声解禁」の裏側について解説していきます。
演者の富栄ドラムは元大相撲力士で本名は冨田龍太郎
ドラム役を演じている俳優の芸名は、役名と同じ「富栄ドラム(とみさかえ どらむ)」さんです。1992年4月11日生まれ、兵庫県神戸市出身で、本名は冨田龍太郎(とみた りゅうたろう)さんといいます。
幼少期から身体能力が高く、柔道で実績を残した後、大相撲の伊勢ヶ濱部屋に入門して力士として活躍していました。『VIVANT』への出演が決まった際、役に由来する名称の方が運勢的に良いという占い結果を受けて、正式に「富栄ドラム」へと改名したというエピソードもあります。
| 項目 | 詳細データ |
|---|---|
| 本名 | 冨田 龍太郎(とみた りゅうたろう) |
| 生年月日 | 1992年4月11日 |
| 出身地 | 兵庫県神戸市北区 |
| 最高位 | 東幕下6枚目(伊勢ヶ濱部屋) |
| 特技 | バク転、アクション、柔道 |
日馬富士の付け人や貴景勝の連勝を止めた力士時代
相撲時代の四股名は「富栄(とみさかえ)」で、小柄な体型ながら俊敏な動きと技術を武器に活躍していました。横綱・日馬富士や照ノ富士らの付け人を長年にわたって務め、大相撲の世界で礼儀や勝負強さを学んだそうです。
2015年の3月場所では、デビュー以来15連勝中と破竹の勢いだった後の大関・貴景勝(当時・佐藤)に土をつけるという快挙を成し遂げた実績もあります。しかし、度重なる股関節の怪我などが原因となり、2021年に惜しまれつつ現役を引退しました。
怪我による引退からYouTuberを経て俳優へ転身
力士を引退した後、富栄さんは自慢の身体能力と明るいキャラクターを生かしてYouTuberとしての活動をスタートさせました。バク転などのアクロバティックな動画で注目を集める中、幼い頃からの夢であったアクション俳優への転身を決意します。
オーディションを受けて見事『VIVANT』のドラム役に選ばれると、元力士ならではのフィジカルと愛嬌のある演技で見事に大役を果たし、一気にブレイクを果たしました。
キャラを徹底的に守った独自のプロモーション戦略
ドラマの放送期間中、富栄ドラムさんはバラエティ番組や宣伝イベントに出演する際も、劇中と同じように一切地声で喋らず、スマホの音声やフリップを使って対応するという徹底した役作りを行っていました。
この徹底した世界観の保護により、視聴者の間では「ドラム=スマホで喋るキャラクター」というイメージが定着し、作品への没入感を高めることにつながりました。
ラジオの生放送で披露された爽やかな地声と声解禁
全10話の放送がすべて終了した直後の2023年9月26日、TBSラジオの番組『パンサー向井の#ふらっと』に富栄ドラムさんが生出演しました。そこでついに、自身の地声を初めて公の場で披露する「声解禁」が行われたのです。
「おはようございます!富栄ドラムです!」と挨拶した彼の本当の声は、巨漢のイメージとは異なる非常に爽やかで軽快なボイスでした。共演者からも驚きの声が上がり、番組は大盛り上がりとなりました。
最終回まで地声を隠し通したのは、「視聴者に作品の世界観を最後まで純粋に楽しんでほしかったから」という富栄さんのプロ意識によるものでした。
ドラムが喋れないのはなぜかスマホの声が誰かも解消
ドラムが喋れないのはなぜか、そしてスマホの声が誰かという疑問の裏には、緻密な作中設定と現場での演出、そして声優・キャスト陣のプロフェッショナリズムが隠されていました。超豪華な声優陣による音声演出や、元力士という異色の経歴を持つ富栄ドラムさんの熱演があったからこそ、ドラムは作品を象徴する大人気キャラクターになったと言えますね。
ドラマを再度見返す際は、ぜひ林原めぐみさんの絶妙な声のニュアンスや、富栄ドラムさんの表情・アクションの細部にも注目してみてください。
